051011_八幡平・紅葉ロケ
■紅葉の八幡平ロケ当日。
早朝4時にはチェックアウトし、駅前のニッポンレンタカー盛岡駅前店で予約しておいた車を借りる。ここのお店は今まで行ったことのあるニッポンレンタカーの営業所の中では一風変わっていて、ビルの2階にあり、比較的しっかりとした店構え。岩手県では唯一、東北地方でも貴重な24時間営業所。それだけ需要があるのだろうか。私のような変な時間帯に利用する者にとっては有難いことである。
4時半過ぎ、八幡平を目指し出発。盛岡インターチェンジから東北自動車道に乗り、北へ、松尾八幡平インターで高速を降りる。料金所を出たら右へ、闇がうっすらと青味がかっていく中を走る。途中、道路脇の駐車場で一時停車し、助手席にハイビジョンカメラを設置。テスト的に紅葉ドライブの撮影を試みるためだ。特にアスピーテラインと名付けられた道に期待している。
柏台にある松尾八幡平ビジターセンターや松尾八幡平物産館「あすぴーて」(いずれも昨年4月にオープン)の手前で右折すると、いよいよ民家がなくなって山道特有のカーブが続く。「スノーシェルター」と呼ばれる、冬期、道路に雪が積もらないようにするためのトンネルが度々現われる。前後には一切車はなく、対向車も極めて少ない。次第に左右の木々は色付きを増していく。
最後のスノーシェルターを通過すると右手に八幡平(御在所)温泉の八幡平ロッヂ(旧称:八幡平観光ホテル)やいっぷく茶屋、八幡平ユースホステルなどが見えてくる。ここには「みどりの湯」という日帰り入浴可能な温泉もある。
一先ずここは通り過ぎ、ゲートを越えると、冬期は閉鎖されるアスピーテラインに入る。この先は、より八幡平らしい風景に増える。この頃、およそ5時41分、日の出を向かえる。左手の東の空には朝日が昇り、正面や右手の山並みは濃度を増していく。道路沿いには至る所にスチルカメラマンが並ぶ。舗装された大きめの駐車場から車数台分のちょっとした空きスペースまで、雄大な景色を楽しむ人のための駐車スペースが所々にある。にも拘わらず、片側一車線しかない道路沿いに堂々と駐車し、三脚を立てている人もいる。よりひどい場合、それをカーブ直前の箇所で行なっている人すらいる。危ないなぁ。こういうルールすら守れない人に、まともな写真を撮れる感性は宿らない。
一度、結構登り切ったところにある駐車場で朝日に照らされる八幡平を撮影。遠くに、まるで土石流のように流れてくる雲があり、ちょっと気になる。とにかく頂上を目指そうと運転を再開し、見返峠の八幡平展望駐車場に到着。
八幡平山頂レストハウス(岩手・秋田両県のレストハウスが統合され昨年7月にオープン)は9時まで開かないのようで、まだ6時台の有料駐車場は無料開放状態。止まっている車も数える程度。なお、有料駐車場に辿り着く少し手前には無料駐車場もある。さて見晴らしは、というと、さっきまでの朝日を浴びた眺望は姿を消し、辺りは霧一色、真っ白である。さっき気になった押し寄せるような雲がここまで到達したのだろうか。
一先ず駐車場の端にあったトイレ(トイレットペーパーもきちんとあり結構きれい)を借り、駐車場周辺を偵察。ちょうどここが岩手県と秋田県の県境。それを示す表示も立っている。八幡平美化センターはすでに開いていて、お土産や周辺の情報、高山植物の写真などが見れた。車に戻り、少しの間、霧が晴れるのを待ってみるが、一向にその気配がないため、標高を下がりながら周辺を偵察する作戦に切り替える。
折角なら登ってきた道とは違うルートを走ろうと、駐車場を出て左折、八幡平樹海ラインを進む。すぐに現われて来たのは東日本で最も高い場所(海抜約1400m)にある温泉という秘湯・藤七温泉。その先の道路脇に、湯煙が上がっている場所が見え、すぐ横には駐車場があったため停車。柵の下を見下ろすと階段の下に小さな温泉が湧き出していた。ここは「太古の息吹」という名所。93℃もの単純硫黄温泉が沸いている。老夫婦がそこへ降りて行く。老婆の手には卵のパックが見える。温泉卵を作るようだ。ツーリングのライダーが一人、近付いて来て、ここは入れるんですかねぇ、と尋ねられるが、さぁ、どうなんだろう?少なくとも隠れる場所のない真っ裸では難しい場所で、温度も見るからに熱そうである…。
ここで一瞬雲間から日が射すタイミングを待ちながら山並みの紅葉を撮影。その後も八幡平樹海ライン沿いの良さそうな駐車スペースを見つけては撮影を試みながら松川渓谷方面に向かう。途中、眼下に大揚沼や下倉スキー場が望めた。
右手に川が見えてくるとそこは松川渓谷である。温泉施設を通り過ぎ、県民の森へ右折すると、森ノ大橋に出る。この辺までくると標高の問題か、単に雲が随分流れ去ったのか、青空も頻繁に顔を覗かせている。橋の上は駐車禁止なのに、車を止めて橋の下を覗き込んだり、記念撮影を始める人が跡を絶たない。橋を通り過ぎてすぐの道路沿いに駐車用のスペースが設けてある。撮影をするからにはそこに止め、橋の上を歩く。下流側を覗き込むと紅葉を始めた木々の間に松川や小さな滝が見える。上流部には堰堤があり、人工的ではあるが、綺麗な滝を作り出している。残念なのは、その上流部の中州にタイヤのゴムが捨てられていたこと。さすがに退かしに行けるような場所ではない。映像の中に入らないように避けながらアングル決めとなる。
県民の森の広場横にあるトイレに寄って、駐車場で一休み。再び、森ノ大橋を渡って右折、右手に金沢橋がある交差点を左折し、しばらく進むと、行きに通過した柏台の松尾八幡平ビジターセンター前に出る。そのまま直進し、早朝と同様、アスピーテライン方面へ。アスピーテラインと八幡平樹海ラインを丁度一周したことになる。
二周目は朝、通過していた場所に止まりながらの移動とする。はじめに八幡平(御在所)温泉の無料駐車場に車を止め、御在所沼が見える場所へと歩く。鳥居を越え、八幡平スキー場のゲレンデ辺りから御在所沼を望む。青空や雲が湖面に映り、周りの紅葉した山並みや手前のススキとの対比が美しい。右奥にはくぐり抜けて来たスノーシェルターが見える。角度的に五色沼(赤沼)は草に隠れているのか、存在がはっきりしない。
ユースホステル裏辺りへ移動し、丸森やその周囲の紅葉した山並みを撮影。この辺は非常に見事な紅葉っぷり。スチルカメラマンのグループも十人近く一帯に散らばって撮影していた。お花見ならぬ、紅葉見の宴会を開いている人達もいる。
駐車場に戻り、駐車場裏手の景色も撮影。ここからの眺めが案外素晴らしい。丁度、紅葉の状態が一番いいようだ。南西から南東方向へ、色とりどりの木々が幾重にも重なる。
見返峠を目指しながら、度々、アスピーテライン沿いの駐車スペースを見つけながら撮影を続ける。特に、源太岩を過ぎてすぐ左手にある源太岩展望所の眺めは素晴らしい。
見返峠の八幡平展望駐車場は早朝と違って活気に溢れていた。駐車料金410円。第一駐車場に止める。駐車場利用券に印刷されている八幡平頂上園地の地図が案外分かりやすい。駐車場からの見晴らしもなかなかのもの。南部片富士と言われる岩手山が正面に見える。
岩手と秋田の県境が丁度、山頂へ向かうルートの入口。頂上入口を入り少し歩くと、鏡沼などを通る左側のルートと、右正面へ進み八幡沼へ通じるルートに分かれる。私は八幡沼方面を目指す。勾配を登ると、今登って来たばかりの八幡平展望駐車場から、南東方向へ岩手山まで眺めることのできる展望台に出る。トイレも完備されている。ここで八幡沼へ向かう右回りの道と、ガマ沼経由の左回りの道に分かれるが、右回りのルートは10月5日から11月30日まで工事による通行止区間があるため、左回りへ進む。
しばらく行くと右手に八幡沼が眺望でき、左手にガマ沼が現れる。ガマ沼は、周囲500mほどの小さな沼であるが、この中に3つの火口があるという。逆光の光を湖面に映し、独自の芸術的な静寂を湛えていた。八幡沼は草紅葉に覆われ、左側には避難小屋の陵雲荘も見える。両沼とも、がっしりとした展望台が備えられており、存分に眺望を満喫できる。
ここからは八幡平頂上を目指す。ガマ沼沿いを抜け、木々の間を進むと、頂上の展望台が見えて来る。八幡平頂上は1613m。決して見晴らしのいい展望台という訳ではないが、アオモリトドマツなどの針葉樹林が360度出迎えてくれる。
展望台を後にして、メガネ沼、鏡沼方面へ。この辺は、強風で枯れたというアオモリトドマツの群れが独特の雰囲気を醸し出している。所々、なぎ倒され、折れた樹木が、何かを語りかけて来るようだ。時間的にも夕方になってきたため、行き交う人はほとんどなく、木々の精霊を感じられる。
しばらく進むとメガメ沼が左手に現れる。残念ながら、2つの沼をメガネのように収められる場所がなかったが、僅かに紅葉した湖畔の赤い葉が湖面に映り込み、周囲の静寂と相まって魅力的な空気感を与えてくれる。メガネ沼を越えると鏡沼が見えて来る。名前の通り、周りの景色や空の色を見事に映した沼である。丁度、夕日に染まり始めた空と木々を携え、柔らかな赤味を増して心を捉える。
と、ゆっくり撮影に興じている場合でもない。日没が近い。周りは人っ子一人いない。急いで駐車場方面へ向かう。駐車場に戻るとまさに日没の瞬間。第2駐車場に沢山のスチルカメラマンが三脚を並べていた。秋田県側の山並みに見事な夕日が落ちていった。思いがけず素晴らしい夕日を収める。定点で少し長回ししたため、後で是非倍速処理してみたい。
17時3分、日の入り。駐車場にはもうほとんど車がない。薄らと空が青みを残している内にアスピーテラインを下る。途中、霧が覆い、対向車も後続車も全くいないため、少々不気味…。しかも2ケ所の工事中車線で赤信号待ち。松尾八幡平インターから東北自動車道に乗る頃にはすっかり真っ暗。岩手山サービスエリアで食べそびれたおにぎりなどを食べ、行きと同様の逆方向で、盛岡インターで高速を下り、盛岡駅前のニッポンレンタカーで車を返す。
時間的には計算通り。19時過ぎに車を返却した後、19時39分発のこまち28号に乗車。ちなみに、盛岡駅ではやて号とこまち号が連結される…。行きと違って空いている車内は快適。22時8分、定刻通り東京駅着。帰途へ。
●松尾八幡平観光協会> http://www.hachimantai.or.jp/
●八幡平国立公園協会> http://www.hachimantai.jp/
●リアルタイム八幡平> http://www.lares.dti.ne.jp/~koujit/
●こちら、岩手ナチュラル百貨店> http://www.iwatetabi.jp/